管理者養成学校といえば、
やばい!
ブラック企業の温床!
卒業できない!
宗教施設だ!
脱走者が続出してる!
等々、いろいろネットで書かれていますね。
実際に行ったからわかるのですが、管理者養成学校が”やばい”と言われている理由は、トップダウン・縦割り・絶対服従な社員を育てることに特化した過酷な訓練が実施されているからです 。
本記事では、実際に管理者養成学校の訓練を8日間受けて卒業したわたしが、
✓”やぱい”校内ルール
✓講師ってどんな感じ?
✓過酷だった訓練は?
✓洗脳されるって本当?
✓脱走・途中離脱について
について体験談を交えつつお伝えしています
また、運悪く管理者養成学校に行くことになった向けに、管理者養成学校から無事生還するための攻略法と事前準備を別記事:過酷な管理者養成学校に行く人必読!攻略法とやるべき事前準備を女性経験者が解説でまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね!

学校があるのは、隔離された山の中
学校があるのは、富士山が見えるきれいな山の中。
最寄り駅からは、シャトルバスを20分~乗った山の中にあり、公共交通機関がないため、自力で帰るにはハードルの高い環境。
学校の周辺には、畑と数件の住居があるだけで、夜になればまっくら、人っ子一人いないような環境です。
まさに、外の世界から遮断された施設です。
訓練に備えて前泊する
訓練は朝からなので、前泊します。
夕方に現地入りし、施設に到着したら、食堂に行き、制服(白い割烹着風の衣装)を渡されます。
わたしは、同期の女子3人で参加しましたが、同じように他の会社からも複数人で派遣されています。参加者は、10人~15人の班に振り分けられ、訓練中はお互いを「班友」と呼び合い、苦楽を共にします。
ここまでは普通だったのですが、夕食の時間になったらびっくり、
訓練生が一同に、食堂にある複数の入り口から「失礼します!」と絶叫し、一礼してから入室してきました。あちこちから、「失礼します」の絶叫のオンパレード。
その瞬間「やばいところに来ちゃったかも…」と思いました。ただ、その時はまだ余裕があったので、同じ班の人たちと顔を見合わせて苦笑い。
その日は夕食を食べ、お風呂に入り、10時半に就寝。
どんな人たちが参加してた?
わたしがいた班は、圧倒的に建築会社、ハウスメーカー、パチスロ会社の男性が多かったです。やっぱり建築業界(職人さん、内装屋さん、営業)はブラックなんだなぁと思いました。
あとは、フラワーショップの店長やペットショップの店長、海外技能実習生等さまざま。行ったのが2月のオフシーズンだったので大手の会社員の人たちはいませんでした。
アイリスオーヤマの社員は、管理者養成学校に行かされるというので有名ですよね。
年代はバラバラで、20代前半のチャラいお兄ちゃんから、アラフォーのパチスロ店長まで様々でした。
男女比は9:1くらいでした。圧倒的に女子は少ないです。なので、女子が寝泊りする部屋も校舎から離れていて、行き来が地味に大変でした。
地獄の訓練のはじまりは入学式
訓練初日は、校内の大部屋にて入学式を行いました。床に座らされるのですが、男子はあぐら、女子は乙女座り?マーメイド座り?をするのがルール。
講師の方々の話を聞いたあと、突然決意表明タイムがスタート。呼ばれたら「はい」と絶叫し、自分のダメなところ・どう変わりたいかを絶叫します。
声が小さいとやり直し。みんなが合格するまで延々と続きます。その後先生と盃をかわして終了。
リボンが全部取れたら卒業

入学式が終わったら、それぞれの班で行動し、授業を受けます。最初の授業で渡されるのが、訓練の名称が印字されたリボンを十数個。前日に渡された白い制服にピンでとめていきます。
訓練に合格したら該当のリボンをはずし、リボンが全部取れたら卒業試験を受け、通れば卒業となります。
訓練後半になると、リボンが少ない人(順調に合格している人)とリボンがいっぱい付いてる人が一目瞭然になります。
絶対厳守の校内ルール
基本、全力・絶叫しないと何やっても怒られます。そのうえ細かいルールが多く、まさに社会から隔離された束縛収容施設といった感じです。
カルチャーショックを受けた細かいルールは次のとおり。
- 就寝10時30、起床5時
女子はお化粧などがあるので、4時30には起床してました。 - 歩くの禁止・基本小走り&キビキビ
教室の中でも小走りです - 食堂以外での飲食禁止
授業の間に小休憩があるので、自販機で購入して水分補給します - 返事は全力絶叫
声が小さいとやり直し - 質問への挙手も全力
答えが分からなくてもとりあえず挙手し、あてられてから答えを全力で考えて絶叫 - 注意されたら全力で「ありがとうございました!」と絶叫
- 入室のさいは、「失礼します」を絶叫し、一例してから入室
- 人の前を横切るときも「失礼します」を絶叫
- 朝6時に本気のラジオ体操をやる
ラジオ体操と言うと怒られる。正しくは体操訓練。 - 食事中は、会話を絶やしてはならない
- 朝の掃除は採点される
先生が昔のお姑さんのように窓枠を指でなぞって、ほこりがついたらアウト。やり直し。 - 起床から6時のラジオ体操までの時間と、授業後から就寝の時間はフリータイムだが、基本的に”班友”と自主練
- お風呂は30分なので、女子は大変(ドライヤーする時間がほぼない)
- ルール違反したら連帯責任
授業が中断し、お叱りを受けます。班で解決策を考えて、先生のOKがでるまで授業は中止
具体的に何が”やばい”のか?トップ3
続いては、具体的に何が”やばい”の?の部分をご紹介していきます。
一言でいうと、
絶対服従な社員(いわゆる社畜)を育てるために特化した、教育方針と訓練内容が”やばい”です。
個人的には自由でクリエイティブに個性を発揮する社風でも、トップダウンで1つの目標に向かって全社員で進んでいく社風でも、良し悪しがあると思います。業界や職種によっても、向き不向きありますよね。
それにしても、あまりにも時代と逆向してて、個人的にカルチャーショックを受けた点をシェアします。
命令は絶対、縦割りが徹底している
イメージとしては、自衛隊のようにトップダウンが徹底しています。社長や上司の命令を遂行する従順な社員を育てるための訓練内容が盛だくさん。
管理者養成学校が1つの会社で、先生が上司で、先生の指示は絶対に「はい」と答え、速やかに実行する。
これが学校にいるときの、基本的な行動指針となります。
学校に入るとまず覚えさせられるのが、「行動力基本動作10か条」というものなんですが、10か条のなかには「命令されたら猟犬のごとくすぐ実行」「ぐずぐずとするな」と言った文言があります。
「指示があったら即実行」を徹底的に叩きこまれます。
個人的には、前社が外資系の会社で、社風や部署の雰囲気がわりと自由だったので、カルチャーショックを受けました。
なので、「異文化体験にきている」という気持ちで、訓練に向き合うようにしました笑。これで、なんとか平常心を保てました。
自分の時間がないので、体力的にも精神的にもきつい
一応、夕食後(19:30)から就寝(22:30)までの時間がフリータイムですが、暗黙の了解で、班で集まって自主練してます。ほぼ強制的な自主練です。
でも実際、自主練しないと合格は難しいっていうくらい、日々詰め込み学習をします。
そして、つらいのが、暗記系が多いこと。
次から次へと覚えることが増え、毎日疲弊し、睡眠時間も十分取れないので、どんどん疲れていきます。最後の数日間は、ほんとつらかったです。体も重いし、詰め込み学習で頭もパンクしそう。
ふとした瞬間に、「自分は一体、何をしているんでしょうか?」と思いますが、とりあえず必死でした。
「行動力基本動作10か条」なる行動指針は、2分以内に完璧に絶叫できるようになる必要があるし、8分間のスピーチに加え、歌も4つほど完璧に覚えないといけません。
もちろん、すべて絶叫必須。
そして、絶叫中は相手の目はガン見。視線をそらしたら減点というのもなかなかきつい。
ペアを組んで練習しないと、覚えるの無理です。
スマホ没収で外の世界と連絡が取れない、ニュースも見られない
学校についたら、スマホを没収されます。
なので、家族とも連絡が取れないし、ニュースも見られないので、世の中から完全に遮断されてしまいます。山奥だし、物理的にも、情報的にも、メンタル的にも外の世界から隔離されます。
もちろん学校内にはテレビも新聞もないので、訓練に全集中な環境となります。
そして不思議なのが、訓練中ってみんなあまり訓練の外の世界のことを話さなくなるんですよね。というか、外の情報が目に入らないし、日々訓練の暗記科目と、早く卒業したいという気持から、考えなくなるんですよね。
過酷できつかった訓練内容
個々の訓練と言うよりは、あそこでの生活全体がきつかったです。常に覚えることがいっぱい、キビキビ動かないといけない、睡眠時間がないなど、日々の疲れがとれずにリフレッシュできない。
訓練はいっぱいありましたが、特に過酷だった訓練たちのリアルな様子をいくつかご紹介します。
8時間ぶっ通しで歩く20㎞夜間行進
基礎コースだと40㎞ですが、わたしは新人コースだったので20㎞でした。それでもきつい。
夜間行進はどんなものか?
軍隊の行進のように、山道をひたすら行進していきます。行進のやり方も軍隊さながら、班のメンバーで役割(隊長、伝達、旗持ち、探索部隊など)を決めて、それぞれ10mくらいの間隔を保ちながら行進します。
一緒に仲良くしゃべりながら歩くのはNG。行進なので、かなりのハイペースであるきます。
しかも背負ってる装備も重い。肩には兵隊が使う水筒をひっかけて、ずんずん進んでいきます。男性でもつらいのに、女性はもっときついです。体力差!
◆夜間行進は一大イベント
ちなみに、夜間行進の日は、お昼ご飯がカレー。そして、食事中は、昔の戦争の時のラジオを聞かされます。
内容は、実在した2つの軍隊のお話で、隊長の判断が悪かった軍隊は雪崩?に遭遇して全滅して、機転が利いた判断をした隊長の隊は生還したという内容。
なかなかインパクトがありました。ちょっとした、タイムスリップ感。
どこに向かって行進するのか?
地図を渡されて、チェックポイントを3か所通過して学校へ戻るというのがコースになります。
ですが、渡された地図は距離間隔がでたらめな地図なんです。どういうことかと言うと、
例えば、
地図上では、次の曲がり角まで近そうなのに、実は数キロ距離があるなど。そのため、地図は地形とか周囲の目印(小屋や神社など)に注意を払って進まないと迷ってしまいます。
なので、一度道に迷うと同じ道を行ったり来たり。体力をすごく消耗します。また、ゴールまであとどれくらの距離があるのかが分からないのが、精神的につらい点。
わたしたちの班は、15時出発の24時着だったので、8時間かかりました。
坂道も多く、2月の真冬で寒くて凍えてました。
また、たくさん坂道や山を早歩きするので、翌日の足裏はえぐいくらい水膨れになりました。夜間行進の翌日は、ひざを引きずる人もちらほらいます。
とくに基礎コースで40㎞行進した女性やアラフィフは松葉杖をついています。見てて本当に痛々しいし、「こんな訓練が何につながるのか?」と滞りを感じました。
わたしもひざを痛めて、訓練から帰って1か月ほど痛かったです。治らなかったらどうしよう、と思ったけど、1カ月半たったころに自然治癒しました。
何のためにそんな行進するの?
趣旨としては、極限状態での判断力やチーム力を培う訓練だそうです。とにかく、手段が過酷な学校です。
駅前合唱
駅前で大声で歌います。これは羞恥心を忘れて、なんでもがむしゃらに取り組む根性を付ける訓練ですね。
道路を挟んで、向かい側にいる講師に向かって歌い、合格がでるまで何度も歌います。わたしは声が小さいほうなので、4回目でやっと合格しました。
道路を挟んでいるので、途中でトラックが通ると、声なんて届きません。声をからせて、叫ばないと合格でません。駅前合唱というよりは、駅前絶叫。
ちなみに、地元の方たちはおなじみなので、合格すると温かい拍手をしてくれます笑
8分間のスピーチ
大体の訓練生が、一番最後に合格する難関訓練です。わたしも最後までスピーチのリボンが取れずにいました。
どんな内容?
テーマに沿って作ったスピーチを8分間丸暗記して、絶叫します。
作るといっても、テンプレで内容の8割は一字一句決まっていて、具体例の部分だけ自分で作る感じです。
何がつらいのか?
丸暗記がつらい!
8分間のスピーチって、文字にするとA3の紙にびっしりのボリュームです。しかも、一字一句間違ってはいけないんです。間違ったら失格。
しかも、
スピーチの8分間は、審査員の目をガン見。視線をそらしたらアウト。そして、どの訓練でも共通するのが絶叫。
8分間の絶叫って、かなり疲れます。そんなことを1日中やる日々が続きました。
そもそも、体力差がある男女で同じ訓練はきつい
訓練に参加しているひとって9割男性なので、訓練内容も男性の体力ベースです。
体力が少ない女性も同じ訓練内容をやらないといけない。なので、夜間行進は男性の足の早さについていくのもやっと。夜間行進以外の時も、全力で走ったり、叫んだり、とにかく体力を消耗します。
また、男性よりも声がでないから、発声訓練とか歌う系の授業はかなり大変でした。しかも、女性が班に1人だと、みんなで発声や歌の練習をしているとき、声が違うから「聞こえないぞ」みたいなことを言われます。
わたしは前職が、立ちっぱなしの体力仕事だったので、体力に自信はありましたが、毎日バタンキュー。毎晩、寝落ちして、朝が一瞬でやって来るという感覚でした。
アラフィフの訓練生はもっときつそう
女子もきついですが、それ以上にきつかったのはアラフィフのおじさんたちだったと思います。
しかも、アラフィフの訓練生は、中間管理職向けの上級コースに参加しているので、さらに内容が過酷。
1人で1週間ほど山小屋にこもって自問自答する訓練(「ポチ小屋」といいます)があると言ってました。
しかも、毎朝のラジオ体操が見てて悲しくなります。ラジオ体操と言っても、ここでのラジオ体操は全力で行います。
スクワットさながらの動きや、手を地面にベタっとつける屈伸、全力のジャンプなど、毎朝ラジオ体操が終わった後は、息が上がります。真冬でも汗をかきます。
しかも、ちゃんとできてないと連帯責任で何度もやらされます。
自分の父親と同じくらいの年代のおじさんが、屈伸できなくて罵倒されたり、ジャンプができてなくて罵倒されたりする姿を見るのは正直いやでした。
そりゃできないよ。急にそんなことやらせたら体だって痛んじゃうよね。
講師の先生は意外と普通!
これだけ過酷な訓練を指示する講師ってどんな人たち?やばいの?って思うかもしれませんが、意外と普通なんですよね。
怒ると怖い「がんこおやじ」っていう表現がぴったりだと思います。
基本的に休憩中や食事中も講師と一緒に食べるのですが、その時は他愛のない雑談をします。
例えば、
一番すきな缶コーヒーはどれか?とか笑(校内での唯一の楽しみが、自販機のジュースを買うことだったので、ジューストークは盛り上がりました)
あとは、最近はじめた趣味とか、先生もお休みの日は5時起きなのか?とか、私生活についても聞いたりしてました。
ちなみに、わたしの班の先生はお休みの日は寝坊するそうです。休日は全然ストイックではなく、普段は都内在住なので、カフェ巡りをするのだとか。
あとは、最近孫ができたとか、授業以外の時間はふつうの会話をしてました。
言うまでもないですが、講師は全員、管理者養成学校の卒業生です。
講師側も、授業とそれ以外の時間でメリハリをつけないといけなかったのだと思います。
飴と鞭をうまく使い分けてるなぁと思いました。
実際、”洗脳”されるの?
ほぼほぼ洗脳の可能性はない!でも、トラウマになる可能性大
正直、洗脳はされないと思います!9割の人は家に帰れば通常通り!
1週間くらいで人間なんてそんな変われないです。あの山奥の環境で、外部と遮断された場所にいるという演出がなくなったら、訓練で覚えたことはどんどん忘れていくものです。
“やばかった”というささやかな思い出だけが残ります。
ただ!
実際に行った人のごく1割は、管理者養成学校のすばらしさに目覚めるのも事実です。
わたしの会社にも1人いました。訓練前は、社長と部下の間を取り持ってくれる中間管理職の方で、上司にも意見をきちんと言ってくれる方でした。
でも、訓練から帰ってきたら、「あの訓練はすばらしい」「社長が言ったことは絶対」と言うようになりました。
誰かが、トイレで社長の悪口を言おうものなら、すべて報告され、グチを言った社員はしばらく社長から見せしめのターゲットにされてました。
そして、
中にはトラウマになった同僚もいました。
わたしは、当時のことを振り返るのも全然苦ではないし、「そういえば訓練行ったなぁ…」程度ですが、基礎コースに行った同僚は、2年経ったいまでも
「あんな経験は誰もするべきじゃない」
と言ってますし、また別の先輩も
「あの訓練の記憶は私の人生から抹消した」
と言っています。
なので、トラウマになる可能性はありますよね。
洗脳の要素はそろっている環境だと思う
ネットで書かれているような洗脳はほぼないよ!とは言いつつ、冷静に管理者養成学校の立地や授業の進め方を考えると、洗脳に必要な条件はそろっていると思います。
わたしは、心理学の専門家ではありませんが、学生のとき心理学(社会心理学など)を勉強していたり、宗教学(特に新興宗教について)を少し勉強していたので、ある程度そっち系の知識がありました。
なので、現地に行ったとき、自分なりに分析してみて、管理者養成学校の環境には、いわゆる洗脳が起きやすい条件がいくつか整っているなぁと思いました。
例えば、
- 家族や友人からの隔離されている
→冷静な判断ができなくなる - 社会からの隔離されている
→自分が今いる環境(管理者養成学校)が唯一絶対の正しい社会になる - 講師に歯向かうと徹底的に叩かれる環境である
最初は威勢がよかった男性も、だんだん抵抗をやめてました。本心ではどう思っていたが分かりませんが、表面的な行動では講師に服従してました。 - 講師の飴と鞭使い分けが上手
講師はいい塩梅でしかったり、ほめたりしてくれます。よく言いますよね、警察の取り調べも、きつい警察官と、被疑者に対して親身になってくれる警察官とペアで取り調べすると、被疑者が落ちやすいって。
あと、新興宗教の施設とかも厳しい訓練の後に褒められるから、みんなどんどん依存してしまうみたいですね。もっというと、DVとか多くの依存性の病気もそうですよね。 - 睡眠不足にする
冷静な判断とか、歯向かうという気持をなくさせます。管理者養成学校では、詰め込み学習と短い睡眠時間でそのような状態になっていました。
洗脳というより、会社からの圧のほうが強い
単純に会社からの圧があるから、みんな本心ではあれこれ思っていても、服従してしまいますよね。
わたしの班の中にも、「中間管理職試験が管理者養成学校で卒業すること」と言っているひとがいて、震えてしまいました。
途中離脱も可能ですが、私も含めてみんなそれをしないのは、会社に戻ったとき気まずくなるからでしょうね。
そのような会社はやめてしまえばいいと思いますが、わたしは転職して2週間で研修に行かされたので、とりあえず耐えてみました。
この時代になぜ、管理者養成学校が潰れないのか考察
わたしが訓練を経験した思った、管理者養成学校が潰れない理由は3つ。
超ニッチだから?
ニッチな分野は儲かるといいますが、この学校がまさに該当すると思います。「絶対服従な社員を育てることに特化した学校」と言うすごく隙間産業だと思います。
このご時世、わざわざあのような叩かれる要素満載の訓練施設を作ろうと思うひともいないでしょうし。
ごく一部のブラック企業のニーズを満たしているという点で、ニッチ分野で成功しているのだと思います。
訓練に行って出世ひとたちの成功体験があるから?
前述の通り、9割のひとは会社に戻ったときのことを考えて訓練を受けます。そして卒業したら、訓練の記憶は思い出になります。
でも、
わたしの会社でも1人、訓練から戻ってきた後、「訓練はすばらしい」と本気で部下に言いまくる先輩がいました。
その方は、訓練に行った後どんどん出世して、お給料も増えて、ボーナスも増えたそうです。(でも、無茶な働き方をしていたせいで離婚したり、体を崩していました)
私生活はさておき、その方はキャリア的には成功していて、それを訓練に行ったおかげだと思っています。だから、自分の部下にも訓練に行かせるんですよね。
単価が高いから訓練生が減っても大丈夫?
管理者養成学校はコースがいっぱいあるんですが、基礎コースで一人33万円、わたしが行った初心者コースで20万円です。
1つのコースが、平均10日間として、オフシーズンでも3コースそれぞれ2班(10~15人)ずつ訓練生がいました。1か月で2~3回転できるとしたら、売上的には相当が金額になりますよね。
訓練の効果ってあるの?卒業後に思ったこと
正直ほとんどないと思います。
わたしがいた会社は、中途で入社した社員はほぼ全員訓練に行きましたが、その9割は1年で退社しています。管理者養成学校で教えられた、絶対服従に反してますよね。
むしろ、あの訓練に行ったことで、会社に対して疑問をもち、働いているうちに「やっぱりこの会社やばい」と確信し、みんな辞めていきます。
ただ、管理者養成学校で言ってることは実は割とまともですよ。
例えば、5分前行動とか、トラブルがあったら報告しましょう、困ってるメンバーがいたら助けましょうとか。
あと普通に名刺交換とか電話のクレーム対応もやるので、普通ですよね?
手段がやばいだけで、言ってることはほぼ常識的だと思いました。それを教え込ませる手段が”やばい”のです。
訓練には二度と行きたくないですが、行ってよかったことを挙げるとしたら、精神的に強くなるということでしょうか。
辛いことを乗り越えたら、自信になりますよね(これは訓練に限らず、受験でも、就職でも、仕事でも、スポーツでも、何に関しても共通することですが…)
どうしても辛いなら途中離脱も可能
精神的に無理だと思えば、途中離脱も可能です。
学校のスタンスとしては、「逃げたら一生変われないダメな自分のままだけど、それでもいいなら離脱してもOK」という感じです。
ちなみに、私の班では初日の夜に脱走したひとがいました。
彼は初日の丑三つ時に隠し持っていたスマホでタクシーを呼んで脱走したそうです。
「あれ、スマホって没収じゃないの?」
と思いますが、彼は社用携帯を学校にあずけ、自分のスマホは没収されないようにしていたのです。
正直、脱走したらあとあと面倒臭くないのか?と思いましたが、おそらく彼は会社もそのまま辞める気だったのでしょうね。
それはそれで、ある意味正解だったのかもしれませんが。
まとめ
本記事では、実際に管理者養成学校へ行って感じた過酷で”やばい”と思った理由などをまとめました。
カルチャーショックをたくさん受けましたが、いま振り返ると、それはそれで人生のネタとしてはおもしろい体験をしたと思います。
また、運悪く管理者養成学校に行くことになった向けに、管理者養成学校から無事生還するための攻略法と絶対にやるべき事前準備を下記記事でまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね!


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