製パン専門学校はパン屋への一番の近道!行くべき理由をパン学校卒の元パン屋が解説

将来、パン屋で働きたいなら、絶対悩んでしまうのが「専門学校に行くべきか?それともパン屋に就職して働きながら技術を身に着けるべきか?」という問題。

この記事をクリックしてくれた方はおそらく、進路を決めないといけない高校生や学生さん?

あるいは、パン屋へ転職しようと考えている社会人の方?と想像してます。

自分が思い描いてる“パン屋さん”になるためにはどうしたらよいのか?

本記事では、パン屋で6年働いていたわたしが、若いうちに専門学校に行ってよかったと思うことをまとめました。

また「まずはパン屋バイトしたい!」という方のために、バイト選びの注意点も記事後半に記載しました。(わたしは最初のお店選びに失敗したので、ここだけでもぜひご参考に!)

そして、たぶん、「この記事書いてる人だれ?」「このひとの話、参考になるの?」と思ってる方もいると思うので、少し自己紹介させてください、

わたしはこれまで、ホテルベーカリーで5年、町場で1年パン屋として働いてました。

高校卒業後はカウンセラーになりたくて大学に行きましたが、3年生(20歳)の時にパン屋になりたいと思い、方向転換。最初は、大手チェーンのパン屋で働くも、基礎が身につかないと思い、大学に通いつつ1年間、製パン学校で勉強する道を選択。

製パン学校で、ホテルベーカリーのバイトを紹介してもらい、在学中にバイト先を大手チェーン→ホテルへ変更。卒業後は、そのままホテルへ就職。今だからこそ、製パン学校にいってよかったこと、行かない道を選んだ際の注意点が分かります。

1つの経験談ですが「専門学校か、パン屋へいきなり就職か?」、わたしのように「寄り道したけど、専門学校に行くべきか?」と真剣に進路を考えている方の参考に少しでもなればと思います。

前置きが長くなりました。それでは、まず、製パン学校では実際何を勉強するのか?から見ていきましょう↓↓

目次

最短最速でパン屋になりたいなら、学校に行こう

一般的には、高校を卒業し、製パン専門学校で2年間勉強してからパン屋へ就職、というルートを歩みます。それが、パン屋になるための、最短最速ルートだからです。

ここでいう、最短最速というのは、

  1. 最初に基礎をしっかり身につけられ、
  2. 卒業後の就職先についても、豊富な求人情報を収集でき、
  3. 就活アドバイスを学校で受けられるので、就職まではスムーズ

という意味です。

本当に大変なのは就職後ですが、これはどんな業種でも一緒。とりあえずスタートダッシュを切るという意味では、専門学校に行くのが安心です。

また、2年制のコースの場合、職業体験や製品開発体験、店舗での販売体験など、実践を想定したカリキュラムが豊富な学校も多いです。

学校では基本の勉強に加え、就職までのサポートが受けられます。また、実践を想定したカリキュラムを通じて、自分がパン屋に向いてるのか?本当にやりたいか?等々、職業適性が就職前にある程度わかります。

では、製パン学校に入ったら具体的に何をやるのでしょうか?

製パン学校の授業ってどんな感じ?

製パン学校のカリキュラムのベースは座学&実習・実技です。

わたしが通っていたのは、1年制の社会人向けの製パンコースでした。平日は別の仕事をしているけど、パン屋へ転職したい人が週1回、朝から夕方までみっちり勉強するコースです。

実技試験が、たしか3回ありました。卒業試験は、オリジナルパンの開発!

授業数が少ないので、通常の2年間コースと比べたら内容が網羅的になりますが、授業の進め方は基本的に一緒です。

通常の2年制週5のコースは学園祭での販売実習や職業体験など、就職につながる実習が用意されてます。これは、各学校のパンフで確認してくださいね!

学校の実習のときの写真が残ってたので、参考までに、ちょっとご紹介:

1年制のコースは授業が週1回なので、毎週朝から実技をしてました。



班に分かれて生地を仕込み、分割・成型・窯入れまでは自分でやります。

現場でも使うミキサー(パンをこねる機械)やリバースシーター(クロワッサンやパイ生地の折り込みをする機械)をつかって生地を作ります。

実技後は毎回パンがずらっとならびます。ちなみに、自分で作ったパンはすべてお持ち帰り!食費がちょっと浮く(学生にはありがたい)



自分や同期が焼いたパンを見比べて、みんなで試食して、最後に先生が講評します。



基本のパンのほか、「1つの生地から、数種類のパン(製品)を作ってみる!」といった、現場での作業効率化、製品開発的な考え方でパンのバリエーションも作ります。



パン生地だけでなく、フィリングも!



パンの仕上げの方法もいろいろ実践。

 


失敗しても大丈夫!



製菓コースの人たちとお互い作ったものを交換したり。



作業風景の写真が抜けてて残念ですが、ざっとこんな感じでした!

製パン学校では、座学で製パン理論、実技・実習でたっくさんパンを作れます。失敗も練習もたくさんでき、毎回講師が講評するので、パン屋に就職したさい、最低限のことはできるようになれます。

製パン学校に行ってよかったこと

実際に製パン学校に行ってよかったことを5つ挙げると:

  • 基本がしっかり勉強できる

    学校なので、1から教えてもらえます。道具や設備の名前・使い方はもちろん、生地作りに関わる物質名、科学的な仕組み等々、けっこう複雑な製パン理論をかみ砕いて教えてもらえます。

    おいしいパン作り&製パン基礎はもちろん、大量生産、作業効率、品質管理、原価等の考え方についても勉強します。(この部分は、バイトしながらや就職後に身に着けられる部分ではありますが)

    当たり前ですが、趣味のパン作りと、仕事としてのパン作りは全然違うのだとよくわかります。

  • 経験と知識豊富な講師から教えてもらえる

    パン職人歴が長い、〇〇店の元ヘッドベーカー、コンペ入賞者、改行してる等々、経験と知識が豊富な講師の先生から勉強できます。わからないことは、いつでも遠慮なく聞けます。

    製パンについてはもちろん、仕事の「ここがきつい!」「こんなことがあった」「このお店ではこうしてる」「このパンはこうすると意外とうまい!」といった、話しも聞けます。

    普段の講師以外にも、ゲスト講師が来てくれることもあるので、他のお店の名物パンの作り方を見られたり、店舗経営の難しさなどなど、普段の授業と違った視点からの話も聞けます。

  • 失敗してもOK!

    学校は失敗する場所!計量ミスしても、成形がうまくできなくても、焦がしてしまっても、基本的に大丈夫。どこでうまくできなかったのかを考え、「次はここを気を付けよう」とアドバイスをもらったり。

    職場で失敗したら、そうはいきません(初回なら「気をつけろ」で済むと思いますが…)。

    また、各職場で考え方に差がありますが、例えば営業時間後に個人的に練習するのは難しい場合もあります(個人店によってはその分の材料費を給料から天引きされます)。学校ならたくさん練習できるし、プロに見てもらえますよね

  • バイト先でパンを作れる可能性が高くなる

    製パンの求人は「経験者」が条件のことが多いです(特に個人店や、有名店)。また、材料や道具の基本的な使い方がわからなければ、なかなか製造要員で雇ってもらえません。

    未経験者でも、「製パン学校に通ってます!」というだけで製造のバイト枠を獲得できる可能性が高くなります。学校で勉強しつつ、お店でも勉強でき、とてもプラスになります。

    わたしも当時は、製パン学校週1,パンバイト週2、(大学週4)のスケジュールで勉強してました。

  • 就職先の支援
    製パン学校だからこそ入ってくる求人も多数あります。また、面接のスケジュールのセッティングや、履歴書の書き方も教えてくれるし、相談もOK。

    また、自分では思ってもなかった就職先を提案してもらえるのもおすすめポイントです。

わたしは最初は、個人店で働きたいと思ってました。でも、就職担当の方に「ホテルはどう?いまちょうどあなたにぴったりの求人がある!」と教えてもらったおかげで、今の自分があるのだと思ってます。

最初はホテル?と思ったけど、ホテルのベーカリーシェフって実力も技術も経歴もすごい人しかなれないので、就職後も基本をしっかり学べました。

パン屋の製造要員としてバイトできる可能性が高くなるし、業界のプロに就職サポートしてもらえるので安心。パン・菓子学校だからこそ集まる思いがけない求人との出会いもあるかも?

製パン学校に行かない場合の注意点

製パン専門学校に行かないで、そのままパン屋に就職する道もあります。

例えば、「どうしても、このお店で修行したい」、「海外で語学留学しながら現地のパン屋で働きたい」など、強い意志と明確な目標があるのなら、突き進んでいいと思います。

製パン学校に行く時間とお金(奨学金の利用など)があるうえで、どうしようか迷っている方は次の点に注意してください:

  • パン屋の求人は基本的に「経験者」
    パン屋の求人の多くが、基本的に「経験者」です。というのは、やはり製造の仕事となると、生地の扱い方、成形方法、道具の名前と使い方など、製パン基礎がある程度身についていないと、仕事ができないからです。

    なので、パン屋で採用されたとしても販売要員、サンドイッチや仕上げ要員としての採用が多くなります。面接のときの心意気で、販売スタートで製造へ移動できるという場合もありますが!

    また、製造工程がシステム化されたチェーン店や、個人店の場合は未経験でも採用してくれる場合が多いですが、次の点を注意する必要があります↓

  • 最初のお店が肝心なので、ちゃんと選ぶ(次章も要参照)
    未経験の状態で最初に入るお店は、自分の基礎を築く場所となるので、とっても重要です。ちゃんと考えて選びたいものです。

    例えば、働きながらパン作りのすべての工程を習得したいと思ったとき、それが確実にできる場所を自分でリサーチする必要があります。求人を出しているお店に電話するのも1つの方法。

    働きたいパン屋さんのパンを食べに行くのもいいけど、行っただけでは、中でどのような作業をしているのかが分かりません。なので詳しい業務内容を事前にリサーチするのがポイントです。

    また、個人店の場合、長時間労働、福利厚生がしっかりしていないなど、労働環境が大変なことが多いです。

    パン屋さんはただでさえ、腰痛、過労で体調を崩しやすく、長く続けるのが大変な仕事です。若いうちは良くても、長く続けるため&自分の体を守るため、労働環境にも目を向けてくださいね。

  • 自分で勉強する時間を確保するストイックさが必要
    やっぱり、パン屋さんって基本長時間労働&肉体労働なので、1日の終わりにはかなり疲れます。

    そのうえで、製パン理論を勉強する、他店舗のパンを食べに行く、練習をする、試作をするといった時間を、自分で確保する必要があります。

製パン学校に行く時間もお金もある上で、行かない道を選ぶ場合、働く目的を明確にし、それが達成できる店舗をしっかりリサーチするのが重要。

勉強や練習する時間も自分で確保しないといけないので、自己管理できる方に向いてます。

パン屋バイト選びの注意点

専門学校へ行かない方も、専門学校に行きながらパンバイトしたい方も、ぜひ一読ください!

わたしは最初のパンバイト選びに失敗したので、その時に注意すべきと思ったことを3つご紹介します。

まず、ポイントですが、お店で働く目的をはっきりさせることです。例えば、

①仕込みから焼成まで仕事をしながら覚えたい
②販売にも携わりたい

など。そして、それができるお店を探します。その際に注意したいポイントが3つ:

  • 事前に業務内容の詳細をしっかり聞く
    「製造」だからといい、必ずしもパン生地を触らせてもらえるとは限りません。サンドイッチ要員かもしれないし、仕上げ要員かもしれません。

  • 自分の最寄り駅の始発で間に合うパン屋さんを探す
    製造のシフトは朝6:00~7:00スタートが一般的。制服に着替える時間を考えると、店舗には5:40には着したいです。

    そうなると、自分の最寄り駅の始発電車で間に合う場所で探さないといけません。

    お店によっては「始発の時間で早くても6:30からしか入れません」と言えばOKのところもありますが、バイトを探すさいは、始発時間にも注目してください!

  • 「焼きたて」=「生地から手作り」は違う
    よく店先で「焼きたてパン」というのぼりを見かけますよね?

    実はこの「焼きたてパン」、たしかに店舗で焼いて販売するので焼き立てなのですが、生地は店舗で作っているわけではないので、勘違い要注意です。ちょっと体験談をご紹介:

当時、学生でパンの知識0だったわたしは、「焼きたてパン」=「お店で生地から作って、焼き立てを販売している」と勘違いしてました。なので、バイト先を探すときも、「焼きたてパン」のお店を中心に探してみました。

で、バイトの初日どきどきしながらキッチンへ入ると、たしかに、たくさんの種類のパンを店舗で発酵させて焼いていました。でも、

「あれ?生地はどこで捏ねてるの?」って思い聞いてみたら…

生地は工場で捏ねて冷凍し、各店舗へ運送され、それを店舗で解凍→成形→発酵→焼成しているというのです。

生地は店舗で捏ねてる訳ではないのです。

わたしと同じ勘違いをしている方、たぶん、多いと思います。バイト先を探すさいはちょっと注意してくださいね。

そして、

1つ付け加えると、わたしは冷凍生地を否定している訳ではありません。冷凍生地があるおかげで私たちは、どの店舗でもおいしいパンをリーズナブルに食べられる分けなので。

ただ、わたしが当時パン屋で働きたかった理由は「生地作りからパンの仕事を覚えたかった」です。

そうなると、バイト先としてわたしが選んだお店では、目的を達成できないですよね?

お店選びのポイントは、自分がバイトする目的を明確にし、それを達成できそうなお店をリサーチすること

最初のお店選びは重要なので、しっかりリサーチしてくださいね。

まとめ

製パン学校に行くことで、基礎を身に着け、就職するところまでは、スムーズなスタートダッシュが切れます。

就職に関しても、学校には製パンの求人がたくさん集まるので、思ってもいなかった就職先を紹介してもらえることも。

2年間一緒に勉強した同期と、卒業後も情報交換ができるというのも頼もしい点だと思います。

もちろん、専門学校に行かないですごいシェフになったり、お店を開いている人もたくさんいます。

ただ、この道を選ぶと、一緒にがんばる同期や、正しい知識と技術を教えてくれる人がいない分、自分で勉強の時間を確保するなど、自己管理とリサーチが必要になります。

総合的に考えて、製パン学校に行く時間とお金を確保できるなら、製パン学校に通うのがおすすめです。

わたしみたいに途中で進路変更しても、1年制週1で通える製パンコースもあります。そういうやり方もあるんだなぁ、というのもぜひ1例として参考になればと思います。

みなさんが、自分にとってベストな決断ができるよう祈っております:)

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