これから海外に移住するひとにとって現地の生活ぶり、文化や風習はぜひとも事前に抑えておきたいポイントですよね。
思わぬ違いで、「現地での滞在がいやになった」という話はよく聞きますし、知らないとびっくりすることがたくさんあります。
それらの違いが、自分にとって許容範囲内か外かを、ある程度知っておきたいですよね。
本記事では、アジア在住歴11年のわたしが、マレーシアはマラッカに住んで実感した日常レベルのびっくりしたことや、注意すべき文化の違いをお伝えしています。
なるべく現地の雰囲気がわかるような内容にまとめています。
それでは、さっそく見ていきましょう!
マラッカについて

マレーシアはマラッカは、首都クアラルンプールから車で約2時間の港都市です。
2008年には「マラッカ海峡の歴史都市群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。
マラッカは港町なので、歴史的に多くの文化が行き来し、多種多様な文化が混在する場所として発展してきました。
16世紀には、東西貿易の交易点として、ポルトガルやオランダ、イギリスなどの国々による支配を受けたため、ヨーロッパの建築を取り入れた特徴的な建物が多く残っています。
マカオの雰囲気にちょっと似てるかもしれませんね。
昔は、マラッカ海峡といえば海賊で有名でしたが、現在は海賊対策が強化され、その被害は大分減少しているようです。

観光スポットはこんなにかわいいし、田舎の雰囲気もありつつ、多くの日系・外資系企業が進出しているため、タワーマンションがあったりします。
一方で海に近い生活エリアはもっと田舎で、道路沿いに牛とか馬が放牧されていたり、屋台が並んだエリアがあったりします。
地元の人々ってどんな感じ?
基本的にスロー&てきとう
すごーく動きがのんびりしています。歩くのも、何するのも、動作がゆっくり流れます。(マレーシアというよりは、熱い国あるあるですね)
例えば、スーパーのレジ。
マレーシア(というか海外)では、レジがベルトコンベヤー式になっていて、店員さんは流れてきた商品をピっとしてカゴに移すだけなんですが、ほんとにゆっくり作業するので、お会計に時間がかかります。
店員さんは基本的にとなりの店員さんとおしゃべりしてるし、レジには椅子があるので、座りながらまったり仕事をしています。短気な父はいつも切れておりました。
日本のスーパーでにレジ打ちの早さは誇るべき文化の1つだと感じました。なので、気が短い人はちょっとイライラしてしまうかも?
あとは、てきとう&フレンドリー!
終わらり良ければすべてよしというスタンスの方が多かったです。毎日暑いし、細かいことにはかまってられないという気持も分からなくもないのでですが。
英語も通じるけど、シングリッシュ
マレー語がお国言葉ですが、英語は大体通じます。
ただ、なまりがやや強いのと、シングリッシュといって、文章の最後に”la~”とつける独特の英語が主流です。
なので、現地で英語を覚えるとかなりなまってしまうので、後々大変だなぁと思います。
わたしも英語を最初に覚えたのがマラッカだったので、当社はシングリッシュスピーカーでした。学校でも授業はシングリッシュで進んでいたので、それが普通だと思っていました。
でも、シンガポールという都会に引っ越したとき、先生に徹底的に直されました。今ではその先生にとても感謝してます。
中国系マレーシア人が多い
港町として栄えていたため、現地では中国から移り住んできたひとが多いです(なので中華料理がおいしい)。
中華系の人々は基本的に全世界で栄えていますが、マレーシアも例外ではありません。
マラッカでは、マレーシアに移住した中国本土の男性と、現地のマレー系女性が結婚して生まれた子孫をババ・ニョニャといいます。昔の彼らの暮らしぶりがわかる、ババ・ニョニャ博物館なるものもあります(http://babanyonyamuseum.com/)。有名な観光スポットです。
近年は日系企業やAEONなどのスーパーが進出していることから、日本人在住者も増えていますが、日本人学校はありません。
ただ、海外赴任している外国人がたくさんいることから、インターナショナルスクールはあります。
現地での生活の様子や注意点
マラッカでちょっと困った生活の様子をお伝えしていきます。
やもりがいっぱい、ふんの掃除が大変
マレーシアには、やもりがいっぱい!
家の中にも外にも、床にも壁にも窓にも張り付いています。夜行性なので、夜になると必ず見かけます。
最初はびっくりしますが、だんだん慣れてきます。
そして、やもりが家の中にいて困るのが、ふん!
朝起きるとカーテンの下や棚の横など、決まった場所に大量のふんがあるので、毎朝(母が)お掃除してました。
そして、やもちゃんがいて困ること2つ目が、隙間があればどこへでもしゅるしゅる入ってしまうこと。
トースターにいたことに気づかず、トーストしてしまったときは最悪でした。ごめんなさい。
でも、やもちゃんがいていいこともあります!
それは、Gがまったくでないこと!
Gはやもりたちのエサなので、Gを含めた虫は家の中ではほとんど見ません。
生物がいっぱい
マレーシアは常夏の国なので、生物が多様で豊かです。
虫類が多い(そして大きい)のが悩ましいですが、日常生活では海が近かったので、よくヤドカリや魚やカタツムリを拾って育ててました。そういう意味では子育てにはいいかもしれませんね。
また、プールで泳げばトカゲがいることもしばしば。道路わきには牛や馬やポニーがいたりします。
動物園やナイトズーもたくさんあるので、夏国ならではの動物たちを見に行くことができます。おすすめの動物は、ワ二とオランウータンです。
ドリアンがいっぱい
臭いが強烈で好みが分かれるフルーツ、ドリアンがスーパーには必ずあります。道端の屋台でも売っています。
臭いが強烈すぎて、わたしは毎回酔いました。フルーツの王様とはいえ、苦手な方はつらいかも。
でも、日本ではなかなか見かけない、南国のおいしいフルーツもたくさんあります!
例えば、フルーツの女王様マンゴスチン、ランブータンやココナッツ。もちろん、日本でもおなじみのマンゴーはスーパーで安く買えます。フルーツが本当においしいのです。
車は必須
現地での移動はみんな基本的にバイクか車です。AEONなどの大きいスーパーも進出していますが、住んでいるエリアによっては徒歩ではいけません。
また、空港があるクアラルンプールへの移動手段として車があると便利です。
衛生とトイレについて
トイレはやっぱり臭くて汚い
マレーシアに限らず海外のトイレは日本のトイレと比べるとやっぱり、汚くて臭いですね。
特にマレーシアのトイレは床が水浸しで、お行儀もあまりよくないですね。
日本の公共トイレのきれいさは、世界に誇るべきだとつくづく実感します。
トイレはホースで流すスタイル
マレーシアのトイレには、基本的にトイレットペーパーはありません。クアラルンプールのいいホテルやショップではある場合がありますが、基本的にないと思ったほうがいいです。
その代わり、トイレに必ず備え付けてあるホースを使って流すのです。まさに、アナログウォシュレット!
だから、トイレはいつも水浸しなんですよね。水で流してきれいにするので、和式スタイルのところが多いです。
※ちなみに、トイレットペーパー派の人は、使用済みのものをトイレブース内においてあるバケツに入れます。だから臭いです。
排水の問題で公共のトイレでは、トイレットペーパーを流してはダメなのです。
あともう1つ理由を挙げるとしたら、マレーシアはイスラム教の信者が多いので、女性は丈の長い民族衣装を着ています。
なので、和式スタイルでホースで流すのがやりやすいのでしょうね。
なので、マレーシアでトイレに行く際は、ポケットティッシュ必須
トイレは有料
マレーシアでは、トイレは基本的に有料です。トイレ前に集金のおねえさんやおじさんがいて、10セントほど渡すとトイレに入れます。
現地の文化
マレーシアはほぼイスラム教徒です。日本人が現地に行ったら気を付けるべきポイントは3つあります。
- 豚肉は絶対にNG
- 断食のラマダンの時はご飯にさそわない
- モスク等の宗教施設に行く際は、服装を気を付ける
豚肉とお酒は絶対にNG
イスラム教徒は豚肉を一切たべません。理由は諸説あるようですが、宗教的にNGなのです。アルコール類も基本的にNGですね。
そして、ここで注意したいのが、豚が原料となっている食べ物もNGということ。
例えば、
ゼラチンが入ったデザートや、ポークエキスが入ったカップヌードル、豚肉を揚げた油と同じ油で揚げた鶏肉等もNGです。
イスラムの方を家に招いたり、一緒に食事をするさいは、そのような料理を彼らにふるまわないで下さいね!
アルコールについても、例えばラム酒漬けしたレーズンが入ったパンやデザート、お酒が入ったシロップを使ったケーキや飲み物もNGです。
特にデザートの原料や加工食品は見逃しがちなので、ちゃんと配慮したいですね。
ちなみに、彼らに豚やお酒をすすめなければ、日本人であるわたしたちがとなりで豚やお酒を食べていても問題ありません。
ちなみに、現地のスーパーではイスラム教が食べてもよいとされる「ハラール食品」の売り場と、イスラム教徒ではない人が食べる豚やお酒が売っているコーナーは分かれています。
ラマダンの時って、日本人はどうすればいいの?
ラマダンは、イスラム教の行事の1つで「断食」を約1か月行います。
ラマダンには、欲を戒めるという意味があり、この期間は、太陽が出ている時間帯は一切飲食を口にしてはならないのです。
厳格なイスラム教徒だと、太陽が出ている間は自分のつばさえも飲み込まないのだとか!
なので、イスラム教徒は太陽が沈んだ夜に食べて、日中に備えます。夜についついいっぱい食べてしまうので、ラマダンなのに太ったということもあるようです。
ラマダンはイスラム教徒の行事なので、イスラム教徒ではない日本人は普通に過ごせば大丈夫です。
ただ、
現地の文化は尊重すべきなので、ラマダンがいつからいつまでなのかを把握し、その時期にはお昼にさそわないなど、ちょっとした配慮は必要ですね。
とは言いつつ、
断食といっても、その人の信仰具合でだいぶ変わってくるものでして…
例えば、
父の会社の同僚はラマダンの時期になると家にやってきて、母にマックを買ってくるようお願いしてました笑。
さすがにラマダン中は、イスラム教徒の自分は買いに行けないので、ノンイスラムの母に頼んだ訳です。
ちなみに、彼はラマダン中にマックを食べたことが会社内でバレないように、同じ会社の同僚である父にも内緒で食べに来てました。命がけのマックだったのです。
モスクに行くときは、肌見せNG
モスクはイスラム教徒が礼拝を行う神聖な場所なので、敬意を示した服装をします。肌と体のラインの露出はNGです。
男性の場合は、肩と膝が隠れる長袖の服を着ます。
女性の場合は、顔、首、手首以外はすべて隠します。髪の毛も全部見えないようにスカーフで覆います。
服装はゆったりした長袖、長ズボンorスカートが必須です。長袖でも体のラインが見えるものは避けます。
普段の生活では、そこまで気にする必要がありませんが、他の国にいる以上はその国の文化に敬意を示すことを常に忘れないことが大事です。
まとめ
本記事では、マレーシアはマラッカの滞在経験をもとに、日々の生活レベルでのびっくりや日本との違いについてまとめてみました。
生活環境については、インフラも整っているし、多くの日系企業や外資系企業が進出していることから、大型スーパーも充実しています。
日本人学校がない点や、インターナショナルスクールでもシングリッシュを覚えがちという点が、日本人にとっては悩ましい点ですね。
基本的に、まったりした場所で常夏なので好みは分かれると思いますが、物価が安くてそこそこ都心、そこそこ田舎に住みたい方にはおすすめだと思います。ちなみに、海は近いですが、きれいではありません。
本記事が移住先選びに少しでも参考になれば幸いです。
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